「実験がしたい!」
とある夏休みの休日に長男(小1)が私に言いました。自由研究を取り上げたテレビ番組を見て、「自分もやりたい!」と思ったようです。家庭で子どもと科学の実験をするには、料理が一番手っ取り早いのですが…。クーラーの効いた部屋でダラダラ過ごす休日は、子どもの料理に付き合う気力がおきません。何か簡単に実験(っぽいこと)ができないかなぁとぐるりと部屋を見渡し、そうだ!と思いつきました。
「じゃあ、朝顔で色水実験してみる?」
この夏、ベランダで育てている朝顔は、ただいま最盛期を迎え、見事な花を咲かせています。子どもの頃、朝顔の花の色を水に移して遊んだことを思い出し、長男と色水をつくってみようと思いました。私の提案に、「やる!」とテンションがあがった長男。「いろみず じっけん」のワードに目をキラキラさせています。
(紫色がキレイな朝顔)
そこで、さっそく朝顔の花を集めます。「好きな色を集めてね」と長男に言いながら、私も朝顔の花をプチプチ採り始めたところ、「朝顔がかわいそう!」と涙声の長男に叱られてしまいました。わー!ごめんごめん!長男としぼんで地面に落ちたつぼみだけをビニール袋に集めました。
(朝顔を水に入れて2時間後)
朝顔の入ったビニール袋に水を入れて実験準備は完了です。あとは、水の色が変わるのを待ちます。このとき、手で揉んで色を水に移すと早いのですが、幸いにも休日で時間はたっぷりある。「色水ができるの待とうか!」と長男に言い、2〜3時間放置しました(私が休みたかっただけ…)。
(赤紫色の色水になりました)
朝顔の色素が水に移り、キレイな赤紫色になりました。これだけでも十分キレイなのですが、せっかくなので実験っぽいことも。お酢を取り出し、「朝顔の色水に酢を入れたら、色は変わると思う?それとも変わらない?」と、長男にクイズをだします。うーん、としばらく考えて「変わる!」と答えた長男。正解は…
(左がお酢を入れた色水、右が何も入れない色水)
「赤くなった!」。長男が歓声をあげました。透明のお酢を入れて、水の色が変化する様子はまるでマジックを見ているようです。
種明かしをすると、小学生の理科の実験でお馴染みの「リトマス試験紙」と同じ原理。リトマス試験紙は、酸性の液体に触れると、紙の色が青色から赤色に変わります。私は子どもの頃、このリトマス試験紙の変化を「おかあさん」と暗記しました。「お(=青)、か(=赤)、あ、さん(酸)」の語呂合わせです。
長男には、語呂合わせもいいですが、体験を通してリトマス試験紙の変化も教えたいと思い、「酸っぱいお酢は「酸性」の液体。酸性の液体を入れると、色水が赤く変わるね!」と話しました。まぁ長男は、ママ何言ってるの?といった顔で私をチラッと見ただけですが。いずれ理科の実験でリトマス試験紙が出てきたときに、朝顔の色水実験の記憶と結びついたらいいなぁと思います。
(アルカリ性を色水に添加すると…)
朝顔の色水の変化は、「アントシアニン」という色素によるものです(ちなみにりリトマス試験紙は「アゾリトミン」という色素が変化して色が変わるとのこと)。アントシアニンは、まわりが酸性に傾くと赤色に、アルカリ性に傾くと青色に発色します。今回は酸性液体でお酢を使いましたが、他には色水を酸性に傾けるために「クエン酸」を、アルカリ性に傾けるために「セスキ炭酸ソーダ」を加えても、同じような実験が可能です。夏休みの自由研究で、いろいろな液体や粉体を朝顔の色水に添加して、変化を観察するのもおもしろそうですね!また子どもたちと一緒にやりたいです。
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