年中さんになると、ひらがなを書く子がちらほら出てきました。
「子どもたちにはシール帳のなかから、自分の名前を確かめて持ち帰るように言っています」と担任の先生。保育園では自分の名前を読めるよう認識できるよう教えているのだとか。
「○○くん、シール帳はとらないですね」
先生はそう続けます。ですよね。家でもひらがなにはさほど興味を示しません。自分の名前くらいはそろそろ教えたほうがいいのかな。そんなことを思っていた矢先、息子がとあるひらがなを指差して言いました。
「あ!」
初めて読んだのは「あ」
息子の日課の一つは、「デザインあ」を観ることです。ほぼ日で放映されるこの5分番組は親子とも大好き。お風呂上りに、録画を繰り返し視聴しています。そしてついに、
「これは”あ”!デザインあと一緒!」
息子が絵本の文字から”あ”をひとつ指差しました。ひらがなを初めて読んだ瞬間でした。
名前が書ける疑惑
ちょうど同時期、息子の保育面談がありました。
「ついに”あ”が読めるようになったんです!」
先生にそう伝えます。にやけた顔がマスク越しでも隠せません。ところが先生からの返答は私の予想の斜め上を行くものでした。「今日お母さんにお会いしたらお話ししようと思っていたのですが……」と切り出す先生に思わず姿勢を正します。
「○○くん、自分の名前を書いたようです」
え?
先生、今なんと?つい数日前に「名前は読めない」と言われたばかりの息子です。信じられない!という表情の私に、先生が続けました。
「塗り絵に名前が書いてあったんです。本人に聞くと自分で書いたよ!と言っていました」
お友達がかわりに書いたとかでは?と尋ねると、「うーん、違うと思いますけれど……」と先生。ふたりで首を傾げて終了した保育面談でした。
初めて書いたのは「ま」
「褒めてあげてください」と先生に言われるまでもなく、息子の顔を見るたび「すごい!お名前書いたんだね!今度お母さんにも書いているところ見せてね」と言葉がとまりません。へへへと照れ笑いする息子がいつもよりお兄さんに見えます。
その夜、息子がお絵かきを始めました。完成した絵を覗き込むと、
「○○くんは「ま」が書けるよ!」
驚いた私を見て、息子は誇らしげに言いました。
4歳8ヶ月、ひとりで短冊を書く
「今日は短冊書いたんだー」
お迎えのとき、息子が教えてくれました。「先生に書いてもらったの?」と聞くと、自分で書いたと答えます。えーすごいすごい。願い事は何にしたのかな?
「とまと、とまと、とまとー!」
え?
「だから、”と・ま・と”って3つ書いた。○○くん、とまと好きだから」
なんと息子は「ま」のほかに「と」も書けるようになっていました。今年の短冊は覚えたての2文字で書いたんだそうです。
ひとつひとつ自分のペースでひらがなを獲得していく4歳8ヶ月の息子。その過程を最前列で見ることが出来た1ヶ月でした。
とまとの短冊、持ち帰ってくるのが今からとっても楽しみです。
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