「西の魔女が死んだ」を読みました。
じんわり思うことがあったので、ブログに感想を残しておきたいと思います。
主人公は「まい」という中学生の少女。
まいは、中学に入ってすぐ学校に行けなくなりました。
この小説は、そんな主人公まいと西の魔女(まいの祖母)との交流をかいた物語です。
単行本の初版をみると1996年。
もし発売当時に読んでいたら、わたしは「まい」と同世代。そして、まいと同じように学校という濃密な人間関係の場所に、生きづらさを感じていました。
この頃に「西の魔女が死んだ」を手にとっていたら、読後はまた違った感想を持つとおもいますが・・
20年以上経ち、娘も生まれ、もうすぐ4歳になろうとしている今は「子どもとの接し方」という目線で読みました。
* * *
「わたし、◯◯ちゃんと一緒に遊びたくないの」
突然のむすめの言葉にギョッとします。
◯◯ちゃんは、保育園の同じクラスのなかで一番仲の良いお友達。
園の様子を聞くと、いつも一緒に行動しているようですが・・
「どうして遊びたくないの?」
「だって、わたし一人で遊びたいのに、いつも隣にきて一緒に遊ぼうとするんだよ」
と、むすめ。
どうやら「こないでー!」と強くいって、◯◯ちゃんを泣かせてしまったとか。
4歳くらいになると、女の子同士で仲良しグループができ、お友達と関わりをもった遊びが多くなる頃だと思います。
が、ひとりで没頭して遊びたいむすめ。
好きな遊びは、ブロックを組み立てて街を作り上げること。
ひたすら黙々と壮大な建築物をつくっては、保育園の先生に「将来は建築家かな〜」なんて言われています。
自分の世界をもっていて良いな〜、
楽しそうに遊ぶな〜、
と、見てはいるのですが。
たまに、上記のようなお友達とのやりとりを聞くと、いずれ「まい」のように人間関係でおおいに悩む時期がくるんじゃないかな・・と、今から余計な心配をしてしまいます。
そんなとき、親ができることってなんだろう。
そもそも、あるのだろうか?
「わたしはもう学校へは行かない。あそこは私に苦痛を与える場でしかないの」
というまいに対して、ママがとった行動は?
西の魔女の家に連れていく
というものでした。
* * *
西の魔女とは「まい」の大好きなおばあちゃんのことです。そして、むすめにとっても大好きな身内がいます。
先日、その大好きな身内が、大量のお土産とともにわが家に泊まりにやってきました。
普段は沖縄で暮らしているので滅多に会うことができません。
レディーガガに似ているとの定評があるので、ここではガガおばちゃんとでも呼んでおきます。
ガガおばちゃんのスーツケースから出てくる、見たこともないお洋服やお菓子の数々に、一瞬で心を鷲掴みにされたうちの子どもたち。
なかでも、むすめはすっかりトリコです。
「今日は何時に帰ってくるの?」
「今日はパーティだから、帰ってきたら一緒に踊ろうね」
と、毎日のようにガガおばちゃんにベッタリ・・
人見知りで、ちょっと怖がりなところがある3歳児がここまで懐くとは親としては意外です。
「わたし、ガガおばちゃんと一緒に寝るから!」
そう宣言して、夜はおばちゃんの部屋に入ってしまいます。
寂しくなって直ぐに戻ってくるだろうな・・と思いきや、そのまま寝るまでガガおばちゃんと女子トークしていたそう。
(わたしは、先に別の部屋で寝てしまった)
あの!
人見知りで、わたしにベッタリだった子が!!
身内とはいえ、親以外の大人とここまで一緒に遊べるとは!!!
こうやって、子どもの世界は少しずつ広がっていくのかな。
* * *
学生のころを振り返ってみると、自分の世界は周囲数100mで完結していました。
そこでは、目に見えない独特のルール(しかもよく変わる)があり、適応できたり、できなかったり・・
わたしも「まい」も、多かれ少なかれ人間関係の壁にぶち当たったように、むすめも多感な時期に色々と悩むことがあるでしょう。
自分で超えられる壁もあれば、「やっぱり無理——!!」な壁もあります。
「西の魔女が死んだ」を読んで、はじめに思ったことは、「ムリ!」って思ったときに逃げ場があるって救いだな、でした。
わたしは、まだ子どもが小さいので想像でしかないのですが、思春期の悩みに対して親が介入できること/してあげられることなんて僅か、だと思っています。
ですが、
西の魔女のような居場所や存在、「逃げ場」があるっていう安心感は、これから子どもに教えてあげたい。
この本をよんで感じました。
* * *
「なんで、ガガおばちゃん沖縄に帰っちゃったの??」と、むすめ。
「おばちゃんはお仕事があるんだよ」
「なんの〜?なんのお仕事〜〜??」
密かに魔女ブームだったわたし。
「ちょっとこれはママと2人だけの秘密にしておいて欲しいんだけと・・」
とむすめに切り出しました。
「実は、ガガおばちゃんって魔女なんだよね」
「ドラゴンフルーツとか不思議な果物食べたでしょ?あれ、魔女の食べ物だから」
それからといもの、
「ガガおばちゃん、魔女の仕事忙しいかな?」
と、よく分からない心配をする3歳児。
わが家の南の魔女は次はいつくるのでしょうか?
指折り楽しみにしているむすめでした。
▽今回のブログでは触れませんでしたが、まいの魔女修行の様子とラストシーンがとても良いお話です。