わが家は中学受験が盛んな地域で暮らしています。私がこの事実を知ったのは、長女が保育園に通っていた頃でした。クラスメイトのママが「上の子が小学生になるタイミングで引っ越したい」と話していたことがきっかけです。理由を聞くと、今の学区の小学校は大半の児童が中学受験するから、と教えてくれました。「うちは中受しないし、プレッシャーの少ない小学校に通わせるつもり」とのこと。結局、そのママ一家は近隣の別学区(保育園の通園圏内)に引っ越していきました。同じ地域でも学区によって中学受験熱はそんなに違うものなの? と驚いたのを覚えています。
次に中学受験を意識したのは、長女が小2の時。担任の先生との個人面談で、「中学受験しないんですか?」と聞かれました。「この学校は受験する子が多いですし、長女さんなら向いていると思います」とはっきり言われ、またしても驚き、同時に焦りを感じました。というのも、さほど教育熱心ではない地域・家庭で生まれ育った私は、「中高一貫校」について知らないことばかりだったからです。子どもの受験はまだまだと気長に構えていましたが、そんなに悠長なことは言ってられないのかも…。
(子どもの家庭学習を考え始めたのもこの頃)
子どもには中学受験をさせるべき? 気持ちが揺れ動いていた頃、わが家の教育方針に大きなインパクトを与える出来事が起こりました。小3になった長女が「学校に行かない」と言い出したのです。突然子どもが不登校となり、これにはかなり戸惑いました。ですが、自分のペースで淡々と勉強し、余りある時間で好きなことに没頭する長女の姿を見ているうちに、「学校に行かなくても、まぁ何とかなるかな…」と思えるようになりました。やりたくないことは「イヤ」ときっぱり言う長女ですが、やりたくいことに対してはこつこつ努力できる子だと、机に向かう背中から感じたのです。
(長女の「好き」はピアノと絵を描くこと)
長女の不登校を経験し、ふらふらしていたわが家の教育方針がようやく定まったように感じます。それは、「お金は出すけど、口は出さない」。
4年生に進級したタイミングで、長女は「やっぱり学校に行く」と言い、学校生活に戻りました。そして友人関係ことを家で話すようにもなりました。必然的に中学受験についても話題に上ります(クラスメイトのほとんどが塾通いしているので)。「中学はどこ行こうかな〜」と長女が言うので、「中学受験はやってもやらなくてもいいよ。ママはどっちを選んでも応援するよ」と伝えました。
しばらく長女と私立中高一貫校について調べたり、塾通いするクラスメイトの話を聞いたりしました。そして長女が出した結論は、「みんなは中受するけど私はしない」とのこと。周囲に流されることなく、自分の意見を話す姿がなんとも長女らしいなと思いました。
中学受験が過熱する地域に暮らしているわが家ですが、今のところ子どもの中学受験はなさそうです。その分、小学生時代はたくさんお出かけし、遊びに邁進するつもり。楽しみながら日々を過ごしていきたいです。