「マーケット感覚を身につけよう」ちきりん

前回に引き続き、ちきりんさんの本をいくつか再読しています。「マーケット感覚を身につけよう」を初めて読んだのはたしか5,6年前。今読み返すと、「預言者なの?」と思うような洞察が多々ありました。たとえば序章の、「ANAの競合は通信システムだ」と、マーケット感覚を駆使して導かれる結論。以前読んだときは「へー」くらいの感想でしたが、コロナ禍で急速にWeb会議が浸透し、出張が激減した今、「こんなに前からこんなこと言ってたの?」と、改めてちきりんさんの「マーケット感覚」に驚かされます。

ここ数年の間、私自身も「価値に気づく」ことや「市場に評価される」ことを随分意識するようになりました。たとえば、「フィードバックを得ることが目的(p208)」でブログを始めたこともそのうちの一つ。頭の片隅に、「マーケット感覚を身につけよう」があり行動につながったのだと、再読して感じました。

今回読んで、これは覚えておきたいと思ったのは「失敗と成功の関係を理解する(p198)」です。日本には「失敗に寛容」「失敗を許す」という言い方があり、その根底には「失敗は悪いこと」との認識があると著者は言います。一方で、シリコンバレーでは「失敗経験のない人など、まったく評価しない」 とのこと。 なぜなら、「チャレンジしない人」「できる範囲のことしかやらない人」と見なされるからなのだとか。社歴が長くなり、手癖でできるような仕事が増えてきたな……と感じていた矢先だったので、この章にはドキリとしました。

数年おきに読むと、刺さる個所も変わってきますね。「マーケット感覚を身につけよう」は折を見て読み返したい本だと感じました。

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